母としても個人としてもワクワクしながら生きていく【腸もみセラピスト MINAさん後編】

前編では、腸もみセラピストであるMINAさんが営むサロン「komusan_chi(こむさんち)」の魅力、サロンを始めた想い、彼女が腸活で感じた変化、「オカンはホームドクター」を掲げる背景を伺いました。

この後編では、MINAさんの育児観や健康観に影響を与えた母の存在、父への想い、体と心のつながりを体感した経験、これからチャレンジしたいことを聞きました。

MINA

腸もみセラピスト

大阪市箕面市箕面森町で温腸活サロン「komusan_chi(こむさんち)」を経営。施術だけでなく、セミナーやSNSでも腸活の大切さを伝えている。

MINAさんの育児観、健康観に影響を与えた母の存在

MINAさんは「オカンはホームドクター」と掲げ、家族の健康を腸からととのえる重要性をサロンで伝えている。「母親として子どもたちにできることはしてあげたい」という想いの深層には、彼女の母との関係が影響していた。一体どんな関係があったのだろうか。彼女のルーツを紐解いていこう。

MINAさんは、1986年に大阪府八尾市に生まれた。彼女が幼稚園の頃に両親は離婚。母と祖母と暮らすようになる。

「のちに母は再婚するのですが、それまで女手ひとつで私を育ててくれました。小さい頃から鍵っ子で、いつもおばあちゃんと過ごしていました。母は昼も夜も働いて忙しくしていたので時間の余裕がなく、食事や健康には無頓着なところがありましたね」

健康を学んでいくと過去の食生活が思い出され、心に引っかかった。「体が形成される大事な時期にもっと健康に気を配った食事だったら、不妊やアトピーに悩むこともなかったのだろうか」と考えなくもなかったと語る。

しかし、MINAさんも子どもを育てる母親の立場になってみると、当時の母の状況や心情も理解できる。母を責めることはできない。

「母は仕事で家にいないこともありましたが、それでもいつも子どものことを1番に考えてくれる人でした。常に母からの愛は感じていましたね」

一方で、母からの愛が重いと感じることもあったそうだ。

「母は『あんたのためやで』とよく言っていました。当時はそれが負担に感じることもありました」

「今になって思うと、母親としてほんとうに私を想って一生懸命働いて頑張ってくれていたのだとわかります。でも、同時に母親という役割だけでなく『もっと自分の人生を楽しんで自由に生きても大丈夫だよ、もうちょっと肩の力を抜いてもいいんじゃない?』と当時の母に伝えたい気持ちもありますね」

母親が父性も背負い、子どもを育てていくことは苦しい局面もあっただろう。そのプレッシャーや焦燥感は、時として苛立ちとなって現れた。

「母は家でイライラしていることが多かったです。母を反面教師に、私はいつも笑顔のお母さんでいたいと思っていました。でも実際は、産後に私もイライラして家族に当たることがあって、かつての母の姿と重なり辛かったです」

彼女の中で、笑顔で機嫌よく過ごすことは優先度が高いことだった。正面からイライラの感情に向き合うのではなく腸に向き合っていたら、自然に気持ちの問題も解決していくこともあると言う。

「私の場合、腸活がイライラを抜け出し機嫌よく過ごすきっかけになり、自分らしく生きることにもつながりました」

「感情のアップダウンに振り回されていると感じる今の子育て世代のお母さんには、まず腸からととのえることを伝えたいですね。『そのイライラや、落ち込みは自分の気持ちの問題ではなく、腸内細菌のせいかもよ?』と視点をずらすお手伝いができたらと考えています」

体と心のつながりと30年越しの父からのギフト

MINAさんは腸がととのう食事や運動、睡眠などあらゆることに気を配りアトピーは改善していった。しかし手にはまだ症状が出て治りきることがなかった。

そんな中、2023年の夏にこれまでにないほどアトピーが顔や全身に広がった。引き金は、海で紫外線を浴び過ぎたことだったが、心の問題もあることに気づいた経験をしたと言う。

「アトピーの症状がたくさん出た数日後に、友人の紹介で鍼灸師さんによる色彩治療というものを受けたんです。そこでは、すい蔵が弱っていると言われました。すい蔵はさびしい感情と関係があると言われました」

「実は治療を受ける少し前に、父の話を掘り下げることがあったんです。それまで父のことを考えることは、ほとんどなかったのですが、幼少期から潜在意識下ではずっとさびしい感情があったのかも知れないと腑に落ちました」

「父へのさびしい感情に私はずっとフタをしてきて、気づかないふりをしてきました。気づいてしまったら、しんどくなるから。長年さびしい感情と向き合い、涙として体の外に出すことをしてこなかったんです」

「もしかしたら行き場のない涙が、皮膚からアトピーとして排出しているのかも知れないと気づきました。食生活など体質改善に励み、様々なことをやってきましたが、いまいちアトピーが治りきることがなかったのは、体の中に溜め込んだ泣きたい感情も関係しているのかも知れないと感じました」

彼女は、子どもの頃から少しずつアトピー症状が出ていたが、産後に本格的に悩まされるようになった。彼女自身が子どもを育てるようになり、体の奥深くに眠っていた母との記憶、父への想いが刺激され、目をつむっていたけれど向き合わなければいけない課題を提示していたのかも知れない。

その後、MINAさんはあるワークショップに参加する。子どもの頃の自分に話しかけるというものだ。

「普段人前で泣くタイプじゃないんですが、子どもの頃の自分にていねいに話しかけていたら、ボロボロ泣けてきて。なんの涙かわからないんですけどね。でも、そうして号泣したあとにはスッキリした感覚がありましたね」

またこれらの経験は、父に30年ぶりに連絡をとるきっかけにもなった。

「両親が離婚したのは物心つかないぐらいで、父の顔も覚えてないし、このまま会うことはないと思っていました。でもいろんな物事が重なり、思い切って連絡してみました」

「電話で話したのですが、父は穏やかで優しい声をしていました。『おまえのこと、忘れたことない』と言ってくれましたね」

MINAさんの内なる子どもが、誰にも聞けなかった問い。「父は私を愛していたのだろうか」、「私は母と父に必要とされた子どもだったのだろうか」

その問いは、年代もののワインボトルの底に沈んだ澱のように、彼女の深いところに静かに居座っていた。30年という歳月を経て、心の澱がゆっくりと溶けてデトックスされた。

彼女のInstagramでの投稿は、父親との触れ合い以降、より発信内容が研ぎ澄まされシャープさが増しているように見える。

「私の中で欠けていた自信のようなものが、父と連絡を持ったことで少しずつ芽生えてきている気がします」

この経験を通して彼女は体と心はつながっていると感じたそうだ。

「これまで栄養学や解剖学の観点で体を学んできましたが、心や目に見えないものの影響も私たちの体は受けているのだと思うようになりました。これからはそういったことも大切にしていきたいと考えています」

父は、MINAさんに自信と安心感、新たな視点をもたらしてくれた。

これまでにないほど広がったアトピーは、自身の心と向き合い、過去を受容し、愛用するハーブやスキンケア用品で2ヶ月で完治したそうだ。

アトピーの症状がたくさん出ていた頃と完治したMINAさん

アトピーの症状がたくさん出ていた頃と完治したMINAさん

当たり前なんてない、今あるものに感謝の気持ちを向ける

幼少期の過去も愛おしく振り返り、目に見えないものも大切にしていきたいと語るMINAさん。今ご自身の家族へはどんな想いを持っているのだろうか。

「まず、旦那にはほんとうに感謝ですね。好きな仕事をやらせてもらって、子どもたちとたくさん遊んでくれて、今の幸せは旦那のおかげだと思っています」

夫婦関係が長くなると相手の欠点が目につき、感謝の気持ちよりも、不平や不満が出てくることもあるだろう。良好なパートナーシップを築いている彼女に感謝の気持ちを持ち続けられる秘訣を聞いた。

「ないものに目を向けるのではなく、今あるものに目を向けるようにしています。先日、身近な人の大切な方が急に亡くなる出来事がありました。私たちが、家族や友人など大切な人たちと笑い合える生活が続いていくことって当たり前じゃないんです。たくさんの奇跡の上に成り立っているんですよね。そうしたら感謝したいことばかりで、ほんとうに毎日ありがたいって思いますね」

MINAさんの家族への感謝や愛の形は、腸活で家族の食生活を支えること、今あるものに感謝の気持ちを向け、MINAさん自身が笑顔で明るく過ごすことだ。

「今のような考え方で過ごせるようになれたのも腸活の学びと実践のおかげですね。不思議なもので腸活の学びは、心や目に見えない世界のこと、宇宙や自然界の法則にまで視野を広げてくれました」

「腸が変われば肌も体質も、考え方や生き方だって変わります。腸ってほんとうにすごいんですよ!だから腸活の素晴らしさを伝え、悩んでいる人の力になりたいと思っています」

中国の哲学者の老子は“足るを知る者は富み、努めて行う者は志有り”(出典:「老子 蜂屋邦夫訳注」老子)と説いている。あるものに目を向けて満足することを知っている者は精神的に豊かで、努力を続ける者には志が宿っているという意味だ。まさにMINAさんは、この老子の考え方を地でいく人だ。

腹の底からワクワクする未来を描く MINAさんの今後のビジョン

MINAさんが仕事でこれから挑戦したいことを伺った。

「腸活を広める活動は私の住んでいる箕面森町だけにとどまらず、フィールドを広げていきたいですね。オンラインで遠方の地域の人にも伝えていきたいですし、私自身がいろいろな地域に出向いて伝えてもいきたいです」

「そして腸活で『子どもの未来を守りたい、自分軸で人生を楽しみたい人を応援したい』と同じ想いの人がいれば、部活動のような熱いノリで伝える仲間を増やしていきたいです。私は人を巻き込んでみんなで成し遂げていこうとすると、より力を発揮するタイプなので、人の輪を広げていきたいですね。ゆくゆくは、そんな仲間と日本の腸活を海外へも展開してみたいです」

プライベートでは次のことを語ってくれた。

「昔ながらの自給自足の生活に近づけていきたいです。小さい畑で食べるものを作り、それをいただいて、自然のサイクルを尊重して暮らしたいです」

自給自足の生活には、MINAさんが大切にする“あるものに目を向けて、感謝する”につながる瞬間がたくさんありそうだ。便利グッツが溢れる現代だが、何かをプラスしていくことよりも、引き算で暮らしをシンプルにすることの方が、心に豊かさをもたらすのかも知れない。

彼女は十年後、二十年後の未来にも目を向けてワクワクしている。

「子どもたちが大きくなって手が離れたら、旦那と住所不定でキャンピングカーで旅しながら生活したいんです!その土地の人と交流して、それぞれの土地の美味しいものを食べて暮らしたいですね。旦那には『住所不定はやだ』って言われてるんですけどね(笑)」

前編の冒頭で好きなことや趣味をたくさん挙げてくれたのと同じように、彼女は未来にもたくさんの夢を描きワクワクしていた。

先日、仕事から帰ってきたMINAさんにお子さんがこんな言葉をかけたそうだ。

「ママのお仕事ってすごく楽しそうだね」

何気ない一言だったが、とても嬉しかったと満面の笑みで語った。

「子どもたちが私を見て、大人になって働くことに希望を持ってくれたら嬉しいですし、志を持ち一生懸命取り組んでいる姿が“楽しそう”に見えているって最高の褒め言葉でしたね」

かけがえのない日々の暮らしに感謝をし、未来に向かって力強く突き進むMINAさん。それは誰の目から見ても、楽しそうで輝いている。

元気は腹の底から湧いてくるものだ。そう、腸がその鍵を握っている。腸がととのえば、体がととのい、心がととのい、人生はオモロくクリエイトできる。さあ、腸活を始めてみませんか?

MINA

腸もみセラピスト

大阪市箕面市箕面森町で温腸活サロン「komusan_chi(こむさんち)」を経営。施術だけでなく、セミナーやSNSでも腸活の大切さを伝えている。

【Information】 Instagram 

MINAさんが営む「komusan_chi」では、世界最先端のインターミッテントファスティング×腸活が受けられます。2024年7月〜9月はお得に体験できるファスティングモニターを募集中!詳しくはInstagramをフォローしチェックしてくださいね!

編集後記

記事を読んで腸活に興味津々で、うずうずしているそこのあなた!(笑)

朗報です、すぐにできる腸活をMINAさんから3つ教えてもらいました。それは、ウォーキング、朝に白湯を飲む、よく噛む!

「なんだ、そんなこと?」と思った方もいるかも知れません。筆者が長年続けているヨガでもよく感じますが、体を健やかに保つには「地味なことをコツコツと」これに尽きるように思います。

それにしてもMINAさんが楽しそうにキラキラとした顔で将来やりたいことを話してくれたものですから「腸がととのうと、こんな風に自分の未来にワクワクできるのか」と筆者も腸に関心が高まっています。

彼女がおすすめする本「子どもの幸せは腸が7割 3才までで決まる!最強の腸内環境のつくりかた」(藤田紘一郎著)もネットでポチッと購入してしまいました。

「誰かの何かのきっかけになりたい」とインタビューの中で、何度も繰り返していたMINAさん。記事を読んで、「腸のために何かやってみよう」とMINAさんの知らないところでも、動き出す人がきっといる!そう思います。会いに行ける距離の人は、ぜひリアルでMINAさんのエネルギーを感じてみてくださいね。

ここまでお読みいただきまして、ありがとうございました。(執筆者:江川ともよ)


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